生成AIパイロット校事業 紹介

R8 生成AIパイロット校事業 活動報告5

2026年9月30日 16時11分

【生成AIパイロット校 授業実践紹介】

~化学(後期課程)「コロイド溶液の性質」における「壁打ち」学習~

本校は生成AIパイロット校として、各教科での効果的なAI活用を実践・検証しています。今回は、山下直哉教諭による、後期課程5年次化学の公開研究授業で行われた生成AI(Gemini)を活用した先進的な授業実践の様子をご紹介します。

○授業実践の概要

  • 科目・単元:高校化学「コロイド溶液の性質」

  • 単員の目標:実験で得られた事実に基づき、真の溶液とコロイド溶液の違いを見いだし、自らの言葉で表現する。

  • 主な学習活動: 生徒は班ごとに「レーザー照射」「ろ過」「透析」などの実験を実施。観察結果や考察をもとに、個人の端末から生成AI(Gemini)にプロンプトを入力し、AIとの「対話(壁打ち)」を通じて考察を深めました。

○授業の様子と生徒の変容

授業では、実験の考察内容をAIに入力し、10点満点の評価を目指してAIと対話するアクティビティを取り入れました。

1. 生成AI(GEM:コロイド君)との「壁打ち」による思考の深化

最初は入力内容が不十分で2点程度の評価しか得られない生徒も多く見られました。しかし、AIから返ってくる問いかけやヒントに対して考えを深め、回答を修正・再入力する「壁打ち」を繰り返すことで、次第に10点満点に近づいていきました。この評価向上を目指すプロセス自体が、本時の学習内容を深く捉え直す効果的な「振り返り(まとめ)」として機能していました。

2. プロンプト(指示文)の試行錯誤と表現力の向上

最初は「どのようにプロンプトを入力すればAIに伝わるか」に苦戦する生徒もいましたが、対話を重ねる中で適切な入力方法を自然に身につけていきました。単にAIに正解を求めるのではなく、AIとのやり取りを経て実験結果の本質を深く理解し、最終的には「自らの言葉」で納得感のある考察を構築する姿が印象的でした。

■ パイロット校としての成果と示唆

今回の実践は、生成AIを単なる「答えを教えてくれる検索ツール」としてではなく、「生徒の思考を整理し、探究を深めるための対話パートナー」として位置づけた点に大きな意義があります。

  • 主体的な学びの実現:AIからの問いかけによって生徒自身の「なぜ?」「どうして?」が引き出され、主体的な考察に繋がりました。

  • 個別最適な学びの提供:生徒一人ひとりの理解度や記述レベルに応じたフィードバックが即座に与えられ、個に応じた思考の深まりが支援されました。

今後もパイロット校として、生成AIを活用した学びの可能性を追求し、生徒の資質・能力を育む授業改善に努めてまいります。

生成AIパイロット校事業 活動

R8 生成AIパイロット校事業 活動報告4

2026年9月29日 17時41分 [25020]

9月14日(月)放課後に外部講師をお招きし、本校教員を対象とし、 Gemini™ を活用した校務・授業の実践研修(2時間)を実施しました。

生成AIパイロット校事業の一環として実施した本研修では、Gemini™ の最新機能を理解し、教員の校務効率化および生徒への還元を通じた教育活動の充実・拡大を図ることが目的です。

 

本研修では、以下の内容を学習することができました。

・ガイド付き学習(AI伴走型学習)

・数学等の解法において、直接的な回答ではなく対話を通じて段階的に考えさせる発問手法を習得。

・生徒の思考力を育む伴走型学習への活用可能性を確認。

・Canvas 機能の活用(アイデア構築・可視化・アプリ作成)

・既存知識や授業案のたたき台作成、およびインフォグラフィック化による視覚的・構造的な整理方法を習得。

・プログラミング知識不要の学習用アプリ構築、および発達支援現場に対応した個別の視覚的教材作成の有効性を共有。

・画像生成とプロンプト技術・著作権・セキュリティ。

・イメージを正確に可視化するためのプロンプトの工夫や、著作権に関する留意事項を確認。

・アカウント別のデータ取り扱いの違いを把握(学校用アカウントは学習データとして利用されず安全性が担保されている一方、個人用アカウントは学習対象となる点に留意)。

・音楽生成の活用

・学級目標や行事コンセプトに合わせた楽曲作成手法を体験し、学級経営や表現活動への展開可能性を確認。

・色覚特性に配慮した配色制限付きビジュアルの作成など、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた教材作成法。

・従来のフリー素材では探せない独自の教育用画像のオンデマンド生成手法。

 

非常に密度の濃い充実した研修となりました。

今回の研修を通じ、教員がしっかりと学ぶことで、Gemini™ を単なる校務の効率化ツールにとどめず、児童・生徒一人ひとりの特性や理解度に合わせた個別最適な学び(インクルーシブ教育など)を実現するための強力な手段にできると再認識しました。

今後は、まず校務での資料作成や教材準備に積極的に活用して実践知を溜めつつ、得られたノウハウを授業や学級経営へと還元し、生徒たちの表現力や主体的な学びの場を広げていきたいと考えております。

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R8 生成AIパイロット校事業 活動報告3

2026年9月14日 16時58分 [25020]

9月14日(月)に徳島大学で開催された

第51回教育システム情報学会 全国大会シンポジウム

「教育現場で活用が進むAIについて考える」にパネリストとして本校 横畠教諭が参加しました。

生成AIパイロット校としての実践発表後に、AI時代に「生徒たちに経験させるべきこと」についてのディスカッション等を行いました。

AIを使うことを目的とするだけでなく、生徒が効果的にAIと付き合えるように教員自身が最新の知識を学び続け、生徒に共有していきたいと思います。

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高等教育研究センターシンポジウムフライヤー.pdf

R8 生成AIパイロット校事業 活動報告2

2026年7月16日 07時09分 [25020]

7月15日(水)18:00より、本校にて保護者の皆様を対象とした「生成AI活用勉強会」をオンライン開催いたしました。

今回の勉強会は、学校と保護者の皆様が同じ目線に立ち、これからの時代に欠かせない「生成AIとの付き合い方」や「本校での効果的な活用方針」を共有することを目的に実施いたしました。

当日は多くの保護者の皆様にご参加いただき、非常に熱気のある会となりました。

勉強会のプログラム概要

1. 本校の生成AIに関するアンケート結果分析と指導方針の提示

(担当:中田侑哉 教諭[技術])

事前に実施した、生徒・保護者アンケートの結果分析と、それに基づく本校の方針を発表しました。

  • アンケートから見えたギャップと懸念

    • 保護者の視点:99%の方が「将来、社会に出る際に生成AIを使いこなすスキルは必要になる」と必要性を強く実感されている一方、「依存性」や「思考力の低下」、「不正確な情報の鵜呑み」に対する強い不安・懸念も示されました。

    • 生徒の視点:すでに日常的に活用し始めており、勉強の理解や思考力を深める道具として肯定的に捉えています。

  • 城ノ内としての指導方針 生成AIは「使うか、使わないか」ではなく、「いかに正しく使いこなすか」のフェーズにあります。本校では独自の「生成AI活用ポリシー(10か条)」を作成し、技術の授業等を通じて正しい情報リテラシー・AIリテラシーの育成を進めています。

2. 教育における生成AI活用の国の動向

(講師:とくしま教育DXフェロー 小出様)

国のガイドラインを踏まえた、教育現場における生成AI活用の最新のトレンドや今後の動向について、専門的な知見から分かりやすくご解説いただきました。

3. 教育における生成AIについて

(講師:大手IT企業 長谷川様)

教育向けクラウド環境を提供する大手IT企業の長谷川様より、教育用アカウントで安全にコントロールされた生成AIツールの仕組みや、学びを支える教育効果についてお話しいただきました。

4. 本校での具体的な授業事例の紹介

(担当:横畠優斗 教諭[数学])

2年生の社会科(歴史)で実施した「記述問題AI」を用いた、中等教育学校ならではの実践事例を紹介しました。

  • 「安易に答えを教えない」教員の意図的なデザイン AIに質問しても、すぐに模範解答は教えてくれません。生徒が書いた解答に対し、AIは「足りない視点」や「考えるための着眼点(ヒント)」を返すようにあらかじめプログラミングされています。

  • 多角的な視点と協働学習 東大の入試過去問をベースにしたハイレベルな記述問題に挑戦。まずは個人ワークで頭をフル回転させ、その後は班のメンバーでアイデアを出し合って「最高の一文」へブラッシュアップしていきました。

  • 目指す最終ゴール:メタ認知能力の育成 AIとの対話を繰り返すことで、最終的には手元にAIがなくても、困難に直面したときに自分自身で「問いを立て、自問自答して深く考え抜ける人(自立した思考の型)」を育てることを目指しています。

保護者の皆様へのお願い

本校で生徒が使用している学校用アカウントの生成AIは、「対話の履歴がすべて残る仕様」になっています。

お子様が持ち帰ったタブレットをぜひご家庭で一緒に開き、普段どのような質問や対話をしているか覗いてみてください。

  • 安易な使い方をしていれば、大人が諭すチャンスになります。

  • 鋭い問いを立てていれば、たくさん褒めてあげるきっかけになります。

目まぐるしく変化する時代だからこそ、家庭と学校がしっかりと手を取り合い、子どもたちの主体的な学びを支えていきたいと考えております。

ご参加いただいた保護者の皆様、そしてご協力いただいた講師の皆様に心より感謝申し上げます。

参加者の感想

・AIを使う、と言う名の下に思考を委ねたり任せるのではなく、AIに思考や考え方の種類・方法、疑問の導き方等、知識の幅を広げてもらう使い方。あくまで自身の視野を広げる使い方を大切にし、教育に取り入れている事がわかった。

・生成AIを使うと言われていますが、どのようにどんな場面で使うのか、子供に保護者としてどう声をかければいいのかわかりませんでした。実際の授業での使われ方を教えていただき、よくわかりました。思考力を鍛える、高める、その一助として生成AIを使っていってほしいと、保護者として感じました。

・学校の取り組み事案も私の想像をはるかに越えたものでビックリしました。新しい時代のために新しい事にどんどんチャレンジしてもらいたいです。

・非常に学びのある会でした。国や県が進めたいAI活用の授業を行なってくださっていることが分かり、これからを生きる子供達にとっては有難いと感じました。ハルシネーションや認知バイアスを鋭く見抜く目を養うことも必要ですね。勉強になりました。ありがとうございました。

・本日はこのような機会を設けていただき、ありがとうございました。先生が明確な教育のビジョンを持って、教材作成や個々の生徒のフォローなどにAIを有効活用なさっていて素晴らしいです。また、AIの懸念事項に対して対策が取れているプラットフォームだと解り、保護者として安心しました。また是非このような勉強会をよろしくお願いいたします。

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R8 生成AIパイロット校事業 活動報告1

2026年7月2日 14時41分 [25020]

7月2日(木)1時間目、2年生の社会科(歴史)にて、生成AI(Gem)を活用した授業を行いました。

本校では、「思考力を向上させるための活用」をテーマに、授業内外での効果的な生成AIの活用方法について実践・研究を進めています。

今回の授業では、難関大学の日本史の入試問題の傾向を参考にし、AIを用いて「中学2年生の実力テスト程度」のレベルにアレンジした記述トレーニングを行いました。

前半は、生徒一人ひとりが「Gem」を使って自分の好きな時代を選択し、個別にトレーニングに挑戦。歴史の事象を多面的な視野で捉え、100文字〜150文字で解答をまとめました。

後半はグループワーク(協働学習)へと移り、個別トレーニングで培った視点を持ち寄りながら、班の仲間と協力して1つの難問に挑戦しました。

AIによる「個別最適な学び」と、仲間との「協働的な学び」を掛け合わせることで、単なる暗記にとどまらない、自ら考え表現する力を養う貴重な時間となりました。

(生徒の感想)

・AIが結構勉強に役立つことをしれて良かった。また、東大の問題も中学生の僕達の知識でとけることをしれて、今の学習も大事だとわかった。

・AIに説明しても、意外とロジックのずれがあったりしたので、ロジックを正しくして説明するということの難しさがわかった。

・自分が知らないこともあり、それを文章化するのは難しかった。しかし、自分で考えたことを文章化することにより、理解を深めることができた。

・自分の歴史を見つめるうえで大切な視点を教えられた。また、歴史を学ぶうえで新たな視点が見つかり、そこからも学んでいきたい。自分の答案をブラッシュアップする力がついた。

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