生成AIパイロット校事業 紹介

生成AIパイロット校事業

2026年7月2日 15時03分

■ 生成AIパイロット校事業とは

本事業は、急速に発展する生成AIを教育現場でどのように安全かつ効果的に活用できるかを検証し、次世代の学びのモデルや適切な利用ガイドラインを構築することを目的とした実証事業です。本校では、生成AIを活用するにあたり、指針となる「生成AI活用ポリシー」を策定し、安全かつ効果的な活用を目指しています。

■ 「C区分」の実証内容

本校が指定を受けた「C区分」は、主に「教材の実証」および生徒の「情報・AIリテラシーの向上」を目的とした実証を行う枠組みです。具体的には、以下のような視点から取り組みを進めます。

  • 教材の実証 生成AIを活用した新たな教材や学習プログラムを実際の教育現場で検証し、生徒の探究心や学びを深めるための効果的な活用方法を研究します。

  • 情報・AIリテラシーの向上 これからのデジタル社会において不可欠となる、生成AIの仕組みや特性、情報モラルや倫理的な課題を正しく理解し、生徒自身が情報を主体的に判断・活用できるリテラシーを育成します。

本事業の実施にあたっては、文部科学省のガイドラインに基づき、個人情報の保護や著作権への配慮など、情報セキュリティを徹底し、安全・安心な環境のもとで教育活動を進めてまいります。

徳島県立城ノ内中等教育学校生成AI活用ポリシー.pdf

生成AIパイロット校事業 活動

R8 生成AIパイロット校事業 活動報告6

2026年10月19日 09時24分 [25026]

【生成AIパイロット校 授業実践紹介】

~相手や条件に応じて、相手にわかりやすい道案内をすることができる。~

本校は生成AIパイロット校として、各教科での効果的なAI活用を実践・検証しています。今回は、和田裕子教諭による、前期課程1年次英語科の公開研究授業で行われた生成AI(GEM)およびICTツールを活用した先進的な授業実践の様子をご紹介します。

○授業実践の概要

  • 科目・単元: 中学1年 英語科「Lesson 6 At the Italian Restaurant」(第3時)

  • 単員の目標: 相手や条件に応じて、相手にわかりやすい道案内をすることができる。

  • 主な学習活動: 城ノ内中等教育学校の正門を出発点とし、身近な地域(城ノ内周辺)の目的地までの道案内文を英文で作成。ストリートビューを活用したリアルな検証や、道案内添削AI(GEM)を活用したフィードバックを通して、より相手に伝わりやすい表現へと原稿をブラッシュアップしました。

○授業の様子と生徒の変容

授業では、単に英文を書くだけでなく、デジタルツールとAIを活用して表現を高め合うアクティビティを取り入れました。

1. Googleマップ(ストリートビュー)を活用したリアルな道案内検証

前時までに各自が考えた目的地の英文をもとにペアワークを実施。聞き手はGoogleマップのストリートビューを操作し、ペアが話す英語の指示通りに目的地まで辿り着けるかチャレンジしました。 初回で無事に到着できたのはクラスの約1/3程度でしたが、「目印の伝え方が不十分だった」「曲がり角の指示があいまいだった」など、実際のマップ上で検証したからこその具体的な課題や気づきが生まれました。

2. 画像読み込み機能による省力化と添削AI(GEM)との対話

伝わらなかった部分やあいまいな表現を改善するため、道案内添削AI「GEM」を活用しました。

  • 手書き画像の読み込みによる入力の工夫: 文字入力にかかる時間を短縮するため、ワークシートに手書きした英文を撮影してGEMに読み込ませました。文字を正確に認識させる意識が、丁寧な文字を書く指導にも自然とつながっています。

  • 評価ルーブリックと連動した表現のブラッシュアップ: GEMと2回やり取り(添削)を重ね、あいまいな表現の修正に加え「具体的に使える役立つ表現」や「具体的な店名・場所の提示」を取り入れることで原稿の質を高めました(原稿最高点8点)。さらに、再作成した原稿で別のペアを正しく目的地へ案内できたら2点加点される評価システムを取り入れ、生徒の意欲を高めました。

3. AIの情報を鵜呑みにしない「自律的な学び」の姿勢

生徒たちはGEMからの添削内容を赤ペンでワークシートに記入し、「どちらの表現がより相手に伝わりやすいか」を自ら吟味・比較しました。AIの提示した回答をそのまま鵜呑みにするのではなく、単語帳や教科書も併用しながら最終的な表現を自分自身で選択・決定することで、自律的な学びの姿勢が見られました。

■ パイロット校としての成果と示唆

今回の実践は、生成AIを単なる「模範解答を得るツール」としてではなく、「自分の考えた英語表現を客観的に見直し、伝達力を高めるためのフィードバックパートナー」として位置づけた点に大きな意義があります。

  • 学びの個別最適化と即時フィードバック: 生徒一人ひとりの作成した英文に応じた適切な訂正や表現の提案が即座になされることで、個に応じた思考の深まりが支援されました。

  • クリティカルシンキング(批判的思考力)の育成: AIの提示した表現をそのまま写すのではなく、教科書等の信頼できる根拠と照らし合わせながら生徒自身が最終判断を下すプロセスを通じ、主体的なAIリテラシーと活用力が育まれました。